今回はあまり多くないですが、デグーの腹壁ヘルニアについてご紹介します。
腹壁ヘルニアとは以前爬虫類のヒョウモントカゲモドキのところでお話ししましたが、お腹の腹膜が裂けお腹の臓器が皮下にでてしまうことをいいます。鳥にも見られます。
今回は外傷により、腹壁ヘルニアになってしまったデグーをご紹介します。
来院時、右の脇あたりが膨らんでいたためテントゲン検査を行ったところ、膨らんでいたのはお腹の臓器が皮下に出てきているのがわかりました。
これがレントゲン写真ですが、写真の左側の肋骨とお腹の境界から臓器が出ている可能性が高いと考えられました。
そのため、手術を行い、裂けた部分を縫合する必要があります。
お腹を開けてみると写真ではわかりにくいですが、肋骨の一番最後と腹膜の境界の大部分が裂けていました。また、一部肝臓が裂けていました。皮下の内出血も広範囲にみられました。
なんとか縫合を行い、手術も無事終わりましたが、臓器の損傷が大きく手術後1週間ほどで亡くなってしまいました。
事故による外傷は、小動物にとって致命的になる場合が多いです、そのため、事故が起こってしまい、その子が普通にしていても念のため病院で一度みてもらうことをおススメします。