今までは卵胞うっ滞についてご紹介しましたが、今回は卵が作られたにもかかわらず、産まれない卵詰まりをご紹介します。
卵胞うっ滞というのは卵になる前の病態でしたが、卵詰まりは卵にはなっているが外に出てこない状態をいいます。
卵胞うっ滞は経過を長い期間見ていくケースも多いですが、卵詰まりは長く経過を見てしまうと卵管の中で卵が腐ってしまったり、中で割れてしまうケースもあるため、早めの治療が必要になる場合が多いです。
初期の段階では産卵促進剤やカルシウム剤を注射し産まれるのを待つことも多いですが、できた卵が奇形卵で骨盤を通る可能性が少ないものや時間が経ってしまい、産まれる可能性が少ないものは手術をします。
この子は長期の食欲不振で来院し、触診で硬いものが触れたため超音波検査を実施したところ片方の卵管に卵があるのが確認されました。おそらく1~2ヵ月前に卵を産んだ際に1個しか産まれず、もう1個はお腹に残ってしまったと思われます。そのため卵は卵管の中で腐敗していました。そのため卵管ごと卵を摘出し、再発をなくすためにも両方の卵胞を摘出しました。
長期間食べていなかった子ですが手術後の調子も良好で今はご飯を食べるようになってきました。
調子が悪くなってしまうと手術後の回復も悪くなってしまうため、元気がない、全然食べなくて痩せてきてるなどがあれば早めの受診をお願いいたします。