今回はヒョウモントカゲモドキの卵胞うっ滞について紹介します。
卵胞うっ滞とは発達した卵胞(卵のもととなる部分)が排卵も退縮もされず体の中にとどまった状態を指します。広義の意味で卵詰まりですが、治療法は異なります。
通常卵胞は排卵され卵になるか、排卵されない場合は再吸収されますが、そのまま残ってしまうことがあります。原因は様々でありはっきりとはわかっていません。卵胞うっ滞になるとお腹に大きな卵胞が残るため食欲が無くなり、弱っていきます。
超音波検査で診断が可能です。
卵詰まりであれば産卵促進剤やCa剤の注射を打ったり、産まなければ手術になりますが、卵胞うっ滞は投薬などの内科的治療は確立されておらず、外科手術が非常に効果的です。
ただ、お腹の中に大きな卵胞があるからといって全てがすぐに手術になるわけではありません。超音波検査で様子を見ていくと、自然に卵胞が小さくなり食欲が出てくる子もいるからです。そのため、手術をするかどうかの判断は食欲がない期間がどのくらいなのか、お腹の卵胞の状態はどうなのか、元気はあるかなどで決定します。
これは実際の卵胞です。この子は大きな卵胞があり、長期間食欲の低下が認められたため手術を行いました。
卵胞は両側にあるため両方切除しました。手術が終わったばかりでまだ寝ています。
その後も経過は順調です。
卵胞うっ滞はレオパだけではなく、カメやフトアゴなど他の爬虫類にも起こります。食欲不振が長く続くようなら一度病院に来院してください。