みなさんもご存じだと思いますが、ジリスやプレーリードック、デグーにはオドントーマという病気が知られています(厳密にいうとそれぞれ違いますが)
オドントーマというのは切歯(前歯)の根元が腫瘍っぽく腫れてくることです。厳密には腫瘍ではありません。
オドントーマになると、鼻腔が圧迫され、呼吸困難、消化管内ガス、食欲不振などの症状が出て、最終的に命にかかわります。
治療は基本的に投薬やネブライザー、酸素吸入なども行いますが、どれも対症療法であり、根本的には改善しません。
そのため、外科手術を実施することがあります。
従来は抜歯術や鼻骨に穴をあける円据術が一般的でした。しかし、リスクが高い手術でもありました。抜歯に関しても、根元で歯が折れてしまい、結局オドントーマの部分が残ってしまうことがありました。
しかし、最近ではプレーリードックのオドントーマに対して切歯骨に穴をあけて抜歯する方法があり、それがジリスのオドントーマにも使用できる論文がでました。
当院でもオドントーマの手術ではこの側方上顎骨切除術による抜歯を行っています。
今回はその方法をご紹介します。
この子も両側のオドントーマがあり、右側が大きかったため、手術を実施しました。
ジリスの場合はまず静脈留置を取り、手術中も点滴を流します。そのあと、気管にチューブを入れ呼吸を確保します。
どうしても鼻をいじる手術なのでチューブを入れないと、呼吸ができなくなってしまいます。
そのあと、眼と鼻の間の皮膚を切開し、切歯骨に穴をあけて抜歯します。

これが抜歯した歯です。傷口はほぼ目立ちません。
向かって左側がオドントーマになっている部分です。短いのは切歯の中央を削っているためです。


手術後2日目の傷口の写真です。手術後1~2日は呼吸が早い状態でしたが、落ち着いてきました。

手術後約2週間くらいですが、毛も生えてきています。手術前よりも落ち着いています。
抜糸の必要がない方法で縫っているので、これで一回終了となりました。
当院ではこの方法によるオドントーマの手術を行っています。ただ、どの手技であっても呼吸状態が悪い中での手術にはリスクが伴います。そのため、それ以外の内科的治療でのご相談も受けておりますので、お気軽にご相談ください。