今回は日本獣医エキゾチック動物学会で発表したヒョウモントカゲモドキの頭部筋壊死性筋症をご紹介します。
この子はこのように右側の頭部の腫れを症状に来院しました。明らかに右側の頭部が腫れています。
一般状態は問題ありません。


通常はレオパでこのような腫れを見ると、腫瘍や膿瘍を疑う場合が多いですが、

切開すると、このように腫れている部分はすべて筋肉でした。いわゆる頭部筋です。
これを切除して、病理組織検査に提出すると、筋肉の融解壊死と再生がみられました。
ただ、ここを小さく切除しても、また大きくなってきます。そのため、何が原因になるかを調べました。
調べ方は免疫染色などの病理組織検査、LC/MS分析などです。
実は海外では、レオパの頭部の腫れはビタミンE欠乏症と診断していますが、論文があるわけではなく、なんともいえません。
そのため、ビタミンEの測定を行いましたが、対照のレオパの筋肉とあまり差はないように思えました。つまり、ビタミンE欠乏症ではないと思っています。
そもそも爬虫類のビタミンE欠乏症はワニで多くみられ、他にもトカゲ、ヘビでの報告はありますが、すべて全身症状を伴います。
また、病理検査所見も異なります。
そのため、自分はこの頭部腫脹の病態を大きく3つに分けました。
①頭部筋壊死性筋症(これがメインである可能性が高い)
②肉芽腫性筋炎(頭部筋の腫れで細菌感染で腫れることもありました)
③ビタミンE欠乏症(海外で言われている病態、実際ビタミンEも測定していないのと論文もなく、詳細は不明です)
見た目では鑑別は困難でしっかり検査していく必要があります。治療法が全く違いますので、診断を間違えると、悪化させてしまうかもしれません。
①の治療法は今、検証中ですが、これからも治療法を調べていきたいと思います。