カメでは膀胱に結石ができる場合が多いですが、大体がリクガメです。
ケヅメリクガメやビルマホシガメなどです。あまり水棲が強いカメにはできにくいです。
今回は30歳のハコガメにできた膀胱結石をご紹介します。

この子はぐったりしていますが、食欲不振とお尻から何か出ているという症状で来院されました。
おしりからでているものはペニスでしたが、今までペニスが出っぱなしになることはなかったそうです。
基本的にペニス脱になる場合はなにいきんだりする基礎的な病気があって出る場合は多いです。
そのためレントゲン検査を行ったところ、膀胱に大きい結石がみられました。血液検査でも腎数値の上昇が認められました。

そのため、全身状態は悪いですが、手術により摘出することにしました。
当院では、通常カメの手術は足の付け根の鼠径部切開で行っていますが、ハコガメは鼠径部が狭いのもあり、甲羅をあけて取る方法にしました。
ただ、雄は甲羅が湾曲しており、ハコガメ特有のつがいもあるため、開甲は少し工夫が必要でした。


これは甲羅をあけて膀胱を切開し、結石を摘出しているところです。

かなり大きい結石が取れました。
総排泄腔から臓器が出るときは必ず臓器が出てしまう原因を考えなくてはなりません。
卵詰まりや結石などが臓器脱の原因の大きな要因になっていることが多いです。
それを改善しないと同じことの繰り返しになってしまいます。