最近はヘビの手術や内視鏡などが多いです。時期によってフトアゴの手術が多かったり、レオパの手術が多かったり、ヘビの手術が多かったり、爬虫類の中でも重なります。
ヘビは爬虫類の中でも腫瘍の報告が多い種類です。特にカーペットパイソンで多くみられます。
今回の子は1.6kgの若いカーペットパイソンで拒食と腹部の膨満を症状に来院しました。


お腹の一部が膨れています。超音波検査で大きな腫瘍が見つかったため手術を行いました。
ヘビは横から切開していきます。

これが開腹した時の写真です。脂肪の量がまぁまぁありました。
切っていくと大きな血管に沿って腫瘍があります。


これはすべてが腫瘍ではなく、胃や十二指腸、膵臓を巻き込んでいます。ここまでくると完全切除は困難です。すべて消化管も含めて切除し、つなげる方法もありますが、膵臓などを巻き込んでいる場合は難しいです。
そのため、可能な限り切除し、減容積を行い、閉腹しました。
切除した組織を病理検査に出したところ、消化管由来の腺癌でした。腺癌はヘビでは報告が多く、悪性の腫瘍です。
今回は腫瘍ができた場所が悪く、浸潤性も高かったため、切除ができませんでした。
ヘビでは腫瘍が多く、お腹が膨れてきたりしたら注意が必要です。