
この子は口唇に腫れがあり来院されました。
みるとかなり腫れています。

口の中のほうまで腫れており、下にも小さなしこりがあります。
唇全体にしこりができているため、全部を切除するのは厳しい状態でした。
上の腫れている部分を局所麻酔で小さくする減容積をおこない、病理組織検査に出しました。
結果は扁平上皮癌という悪性の腫瘍でした。
扁平上皮癌はフトアゴでは眼瞼にできることが多いですが、口の中にもこのようにできます。

再診時ではまだ腫れていましたが、投薬で経過を見ていました。

再診で経過を見ていますが、やや小さくなったような気がします。ただ、左の口唇にも小さししこりができているため、引き続き投薬で経過を見ている最中です。
治療は大きい場合は減容積術により小さくし、投薬をしていきますが、扁平上皮癌という悪性腫瘍なので抗がん剤を使う場合もあります。この子も抗がん剤で経過観察中です。
扁平上皮癌は転移などは少ないものの、局所でどんどん広がってくるのが特徴です。もちろん転移する場合もあります。
今後も注意が必要です。
フトアゴの口腔内の腫瘍には様々あり、炎症から腫瘍などもあるため、様子を見ずになるべく早めに病院を受診してください。