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チンチラの子宮蓄膿症

今回はチンチラの子宮蓄膿症についてご紹介します。

チンチラの女の子は子宮疾患が時々みられます。子宮内膜炎や子宮蓄膿症が多く、子宮の腫瘍もできることがあります。

症状は初期はあまり症状が出ないことが多いですが、進行すると、陰部から化膿性の分泌物や出血がみられるようになります。

子宮蓄膿症は元気消失や食欲不振などがみられ、さらに進行すると菌が体の中に入り敗血症を起こす可能性があります。

この子は急にぐったりしたとのことで来院しました。腹部が張っているのがみられ、他院で子宮の疾患が疑われ、手術の予定もあったみたいですが、急変したため当院に来院されました。

元気がない状態で、超音波検査では子宮蓄膿症が疑われました。血液検査では腎数値の上昇、白血球数の異常がみとめられ、敗血症も疑われました。

静脈点滴をおこない状態の回復を待ちましたが、回復の兆しが見られないため、手術を行うことにしました。

開腹するとかなり肥厚した子宮が確認されたため、摘出しました。子宮の中には膿もありました。

摘出した子宮はこのような感じです。

傷口はいじらないように埋没して縫います。

この子はなんとか麻酔から覚め手術後も頑張ってくれていましたが、敗血症が進んでいたため、残念ながら手術してから4日後に亡くなってしまいました。

超音波検査で子宮が腫れている場合、子宮水腫という水が溜まっている場合は経過を見ていくことが多いですが、子宮蓄膿症は基本的にすぐに手術をする場合が多いです。

理由は子宮蓄膿症は症状がなくても急変や敗血症に進行してしまう場合があるからです。敗血症になると、手術しても助からない可能性やそもそも手術をする前に亡くなってしまう可能性があるからです。

子宮が腫れている場合は必ずしも手術というわけではなく、それが水腫なのか蓄膿症なのか判断し、蓄膿症の場合は症状がなくてもすぐに手術する必要があります。また、陰部からおりものがでているから異常というわけでもありません。

女の子のチンチラさんは注意が必要です。


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