今回はセキセイインコのメガバクテリア症についてご紹介します。
メガバクテリアというのは以前は巨大な細菌という意味で使われていましたが、最近では真菌の1種であるとされるため、マクロラブダスやAGY(Avian Gastric Yest)と呼ばれています。胃に寄生するため、胃炎や胃潰瘍の症状を起こします。
鳥種ではセキセイインコで問題になることが多いです。セキセイインコの大体6~7割くらいで持っているとされています。
急性から慢性まで様々です。症状としては食べているけど痩せてくる、嘔吐、未消化便、黒色便などが見られます。
急に調子が悪くなったという症状で来院されて体重を測定すると、通常セキセイインコだと30~35gぐらいの子が多いですが、30g以下になっている場合も多く、20g近くまでいくと、かなり危ない状態です。
慢性経過の場合、症状が出た時には胃が不可逆的な障害を受けている場合も多く、胃の障害が治らないこともあります。
診断には糞便検査をおこないます。糞便にAGYがみられますが、AGYに感染している鳥のうち10%は排出しないとされているため注意が必要です。そのため、健康診断で定期的に糞便検査を行うことが大切です。
治療は抗真菌薬になります。基本的には飲み薬ですが、中には耐性を持つ場合もあるため、その場合は注射も併用していきます。
症状が重症の場合は、流動食の投与や皮下点滴なども必要になってくるため入院することもあります。
手遅れになってしまうと命に係わる病気のため、必ず健康診断で早期発見することが大切です。
