今回はリチャードソンジリスの胸水をご紹介します。

この子は呼吸が速いという症状で来院されました。
検査で胸水がたまっていることがわかりました。胸水というのは胸の中の心臓と肺以外のスペースに水が溜まってしまうことです。
小動物では胸水がたまることは珍しくありません。
胸水がたまることが多い種類はゴールデンハムスター、フクロモモンガなどが多いです。
原因は様々で、感染、炎症、心臓病、腫瘍などがあります。
この子は投薬をしても改善がみられなかったため、胸水を抜きました。

たまっていた液体は約3mlほどたまっていました。小さい体の胸の中に3mlは多いです。
液体はおそらく循環不全によりたまったものだと推測されました。
この子は残念ながらなくなってしまいましたが、胸水がたまると急に調子も悪くなります。
胸部疾患がある小動物は検査ひとつひとつも負担になっていきます。
なのであまりにも状態が悪い場合には検査を行う際にも慎重に行っていきます。