お知らせ

ハムスターの腸重積

今回はハムスターの腸重積をご紹介します。

消化管というのは蠕動運動を行います。その中で前方の腸が後方の腸に入り込んでしまうことを腸重積といいます。

腸重積を起こすと、ハムスターではよく脱腸という形で症状が出ます。

軽度な脱腸であれば下痢などに付随したものかもしれませんが、明らかに出ている消化管が長かったり、出たのを戻したのにまた脱腸するということだと腸重積の可能性が高いです。

当院だとハムスターが脱腸しているという症状だと、出ているものをみてにはなりますが、ほぼお腹の中で腸重積を起こしていると疑います。

今回の子は脱腸を6~7回繰り返し、他院で腸を戻しては肛門を縫ってを繰り返していた子になります。

他院では繰り返しているうちに粘膜が壊死してきているとのことでした。

当院では腸重積を疑い、即日に手術を行いました。

そうすると、青印のところで腸が入り込んでいました。かなり前方の方から入り込んでいました。

そこから消化管を引っ張り出しました。

無事に引っ張り出すことができましたが、やはり一部で消化管が穿孔、壊死していました。

そのため、壊死している部分を切除し縫合しました。

かなり細い消化管のため、縫うのにも注意が必要です。

この子は無事麻酔からは覚め、排便も認められましたが、術後数日で残念ながら亡くなってしまいました。

腸重積は緊急の手術が必要な病気です。時間がたてばたつほど、消化管も壊死していき、手術後の経過も著しく悪くなっていきます。

早めに手術をおこなうことで、助かる可能性も高いです。

当院では脱腸していて腸重積を疑うハムスターに関しては、緊急の手術を行います。

早期の適切な治療が良い経過へとつながります。


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