今回はハリネズミの脾臓腫瘍についてご紹介します。
ハリネズミには脾臓に腫瘍ができるときが時々ありますが、症状がでにくく、なんとなくお腹が膨れてきたとか急に亡くなってしまってお腹の中をみたら脾臓に腫瘍ができてたなんてことがあります。
今回の子は食欲不振と吐き気を症状に来られた子です。
みてみるとお腹がかなりふくれており、触診でもお腹に硬いのが触れました。
超音波検査をしてみると、お腹に腫瘍ができており、腹水がたまっていました。
腫瘍が中で破裂している可能性もあったため、静脈点滴をしながら手術をおこなうことにしました。

見えにくいですが、お腹が膨れています。

お腹を開けると、お腹の中が血がたまっていました。

脾臓に腫瘍ができており、周囲の組織と癒着していました、かなり貧血にもなっており、血が薄くなっていました。

こちらは摘出後の脾臓です。
この子は手術を頑張ってくれましたが、重度の貧血もあり、数時間後に亡くなってしまいました。
小動物では出血量が多いと簡単に貧血になってしまいます。
脾臓の腫瘍破裂はかなり出血してしまうため、破裂する前に手術を行わないといけませんが、症状がでにくく気づきにくいです。
なんとなくお腹が膨れてきたとかがあったら念のため早めに病院にいらしてください。