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フェレットの副腎疾患(外科手術例)

今回はフェレットの副腎疾患をご紹介します。

フェレットの副腎疾患は多い病気です。

症状は脱毛が多いですが、排尿障害や陰部の腫れなど様々な症状を示します。

脱毛も必ずでるものではありません。

副腎という臓器は腎臓の近くにある臓器です。左右ありますが右の副腎は大きな血管に近いため、手術をする場合は左の副腎を切除するよりも難易度が上がります。

今回の子は元気と食欲がなく、呼吸も早い状態でした。

血液検査では腎臓の数値が高く、超音波検査では左の副腎が3cm以上にまで腫大していました。

状態が悪かったため、静脈点滴で全身状態を上げてから手術をすることにしました。

3日ほどで状態がある程度回復したため、手術を行ったところ腎臓や副腎などがある後腹膜腔内が巨大化していました。

どこに何の臓器があるかわからない状態でした。

この膜を切開し、少しずつみていくと中央にみえるのが副腎で右上には巻き込まれた腎臓があります。

副腎は巨大化し大きな血管に近接していましたが、ある程度取ることはできました。

これが切除した副腎です。

病理検査に出したところ、やはり悪性の腫瘍ということがわかりました。

切除後はある程度ご飯も食べるようになり、元気になりました。

手術後の再診でも今のところ調子も問題なく、抜糸も終わりました。

ただ悪性の腫瘍ということもあるため、定期的なチェックが必要となります。

副腎疾患の治療は1ヵ月に1回のホルモン注射で診ていくことが多いですが、改善がない場合やどんどん大きくなっていく場合には手術も視野に入れた方がいいかもしれません。

内科的治療でいくのか手術をするのかはご相談ください。


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