今回はフクロモモンガの陰茎脱をご紹介します。
陰茎脱とは出たペニスがもとに戻らない状態を言います。
通常は排泄腔にしまっていますが、おしっこをする際などに出てきて戻らないことがあります。
これの何が問題かというとフクロモモンガは自分でそのペニスを噛んだりすることがあります。また他の子に齧られることがあります。
そうすると、場合によってはおしっこが出なくなり、腎不全につながる場合もあります。
このようにフクロモモンガのペニスは二股になっていますが、おしっこが出る場所はこの根本の1ヵ所になります。
この子は若いですが、ペニスが出っぱなしになっており、他の子に齧られたりする場合もあるため去勢手術とともにペニスの切除を行いました。あくまでも切除するのはこの二股の部分であり、根元はおしっこがでるため絶対に切ってはいけません。
このように半導体レーザーを使って切除しました。去勢もしています。この子は壊死などはなかったため、余裕をもって切除しました。
手術後はペニスは出ていません。当院では特に自咬症を持っている子でなければ、カラーの装着は行っていません。
ペニス脱は自咬症につながると命に係わる場合もあるため注意する必要があります。