今回はリチャードソンジリスの扁平上皮癌をご紹介します。
以前もご紹介しましたが、とても大変な腫瘍です。口回りにできることが多く、顎にも浸潤するため完全切除が困難な場合が多いです。
そのため、大きくなると口の中が圧迫されごはんも食べれなくなってしまいます。
この子は右の頬に腫瘍があり、病理検査で扁平上皮癌という診断が出ました。
腫れがどんどん大きくなり、口の中が圧迫されごはんも食べれなくなって痩せてきたため、オーナー様と相談し食道チューブを設置することにしました。
このように左の首から管が出ています。この管から流動食を入れることで胃に直接ごはんが入ります。
ただ、この処置は一般的ではありません。ジリスに食道チューブを設置するのはご飯をあげやすくなったりするメリットもありますが様々なデメリットもあります。そのため、それらを理解していただきそれでも希望されればおこないます。
あくまでもこの処置は緩和的になってしまいますが、口が腫瘍により圧迫されごはんも食べれなくなり、やせていく状態でなにかできる方法の選択肢の一つではありますので、もちろん適応できない子もいるためご相談ください。