今回はモリフクロウの胃内異物についてご紹介します。
猛禽類の異物は何回か手術例をご紹介しました。しかし、異物=手術というわけではありません。
異物の大きさによってはフクロウはペリットとして異物を出すこともできます。
この子は3~4日前からほぼ食べなくなったというモリフクロウです。痩せており、触診で胃の中に硬いものがあることがわかりました。
フクロウの異物の多くは触診で診断が可能ですが、レントゲンでさらに詳しくみていきます。
レントゲンを撮ると胃内にウズラの骨とそれを取り囲むように異物らしきものがあるのがわかりました。
通常ウズラの骨は吸収できない分はペリットとして出てくるはずですが、3~4日前に食べたものがでていませんでした。
よだれもでており、調子も悪そうでした。
当初1~2日内科的治療をおこない、ペリットとして出せなければ手術を行う予定でした。
入院して治療3日目で
大きいペリットがでてきました。自分で出したものを不思議そうにみています。再度食べないように見張っています。
これが出たペリットです。中を割ってみると、
ウズラの骨が出てきました。おそらくおもちゃの毛や綿を食べてしまってたみたいです。
その後はものすごいご飯を食べるようになり、ごはんを見るだけで飛びつくようになりました。
このように異物の内容によってはペリットとして出すことができますが、リーシュなどの大きいものは難しいため、手術になることもあります。
いずれにしてもフクロウやハリスホークなどの異物誤飲は多いため注意が必要です。