今回はオカメインコの重金属中毒症をご紹介します。
金属中毒はよくインコ・オウム類では見られます。
ひとには毒性がなくても、鳥には毒というものが多くあります。特にこの金属中毒症は放鳥中に起きやすいです。
例えば、カーテンウェイトなどの鉛を誤飲してしまうことが多いです。
症状としては程度によりますが、消化器症状や神経症状など全身症状が出ます。便は血便や濃緑食便が出ることが多いです。
この子は急に食欲が無くなり、元気もなくなったとのことで来院しました。
X線検査では明らかな金属は見つからなかったのですが、
このように血便、黒色便が出ており、オーナー様の問診から金属中毒が疑われました。
最初は入院で治療していたのですが、強制給餌をしても嘔吐し、吐き気止めの注射を打っても嘔吐、血便、黒色便が出ており体重も10g以上低下し危ない状態までなりました。途中から重金属中毒症を疑いキレート剤を打ち始めたところ症状が徐々に改善していきました。
最終的には元気食欲が復活し普通の便になり、体重も元の体重に戻りました。
この子は退院時は満足そうに歌を歌っておうちに帰っていきました。
金属中毒は放鳥中になりやすい病気です。手遅れになると命を落とす可能性もあります。特に齧り癖がある子は気をつけましょう。