今回はハリネズミの消化器型リンパ腫についてご紹介します。
今回ご紹介する子は数カ月前から食欲不振と下痢を繰り返しており、投薬により一時改善はみられたものの薬に反応しなくなった子です。
最初の超音波検査で消化管の一部が肥厚しているのがみつかり、血液検査でも低アルブミン血症を示していましたがそれ以外に異常は認められませんでした。
投薬をしてもよくなったり悪くなったりを繰り返していたので、オーナー様と相談し、CT検査を実施しました。
血管造影をおこなったCT検査ではやはり空回腸の肥厚が認められたものの明らかな腫瘍は認められませんでした。
そのため、経過などから低悪性度の消化器型リンパ腫を疑い、手術による一部生検を実施しました。
ここが空回腸の部分ですが、やはり明らかな腫瘍はありませんでしたが一部を切除しました。同様に結腸と小腸の一部も切除に検査しました。
結果はやはり空回腸部でのリンパ腫を疑うものでした。
消化器型のリンパ腫はステロイドでの治療がメインになってきますがなかなか根治は難しい病気です。
なかなか治らない下痢や血便が出るなどの症状はもしかしたら腫瘍によるものかもしれませんので、様子を見ずに病院にいらしてください。