今回はヒョウモントカゲモドキのクリプトスポリジウム症についてご紹介します。
クリプトスポリジウムは爬虫類を飼っている人であれば、知っている人もいるかと思います。
クリプトスポリジウムは寄生虫の1種ですが、目に見える大きさのものではありません。
爬虫類ではレオパやヘビで問題になることが多いです。
この寄生虫は主に腸や総排泄腔に感染します。
症状は胃炎や腸炎が多く、下痢、食欲不振、削痩、腹水貯留などが認められます。
この子は他院で胃腸薬などの治療をおこなっていましたが良くならず当院に来院されました。
他院では糞便検査を数回おこなったそうですが、大きな異常はなかったそうです。
来院時点でお腹に腹水が重度にたまっており、尻尾も痩せていました。
症状は明らかにクリプトを疑う症状ですが、クリプトは糞便検査ではなかなか検出が難しいことが多いです。
そのため、当院ではクリプトを疑う子がいたらオーナー様と相談し外部の検査機関でPCR検査をおこなうことが多いです。
この子もPCR検査をおこないクリプトが陽性でした。
クリプトの根治的治療は確立されておらず、症状を改善する薬を飲んでいくことになります。
この子も腹水を抜きクリプトの症状を改善する薬を飲むことで尻尾も太くなってきました。
この子も検査をしたところ、クリプトが陽性でした。
一度うつってしまうと治らないため、感染症対策も十分に必要となります。