今回はジリスの頚部にできた腫瘤についてご紹介します。
この子は治療が大変だった子です。
この子は頚部が腫れてきたため、最初は針で刺し、炎症なのか腫瘍なのかを調べました。
取れた細胞は炎症細胞で腫瘍細胞は見られなかったため、抗生剤や消炎剤を行い治療していきました。
一度は腫れが引いたものの、再発を繰り返し、膿がでるようにもなりました。
膿を抜いたりしていましたが、腫瘤から多量の出血が認められるようになったため、麻酔下で切除をする手術を行いました。
かなり表面が潰瘍になっており、腫れています。
切開していくと、かなり頚静脈に近接しており、血管の発達も豊富で出血もみられました。
境界も不明瞭であったため、一度完全切除は断念し、組織の一部を採材し検査に出すことにしました。
その結果、化膿性活動性炎症という結果でした。
そのため、抗生剤や消炎剤で様子を見ていくことにしましたが、腫瘤からの出血が止まらないようになり、再度手術を行い、摘出しました。
頬袋の一部を巻き込んでいたため、一部切除し無事手術は終わりました。大変な手術でしたがかんばってくれました。
その後は傷口から滲出液が出ていましたが投薬を続けよくなりました。
原因ははっきりとわかりませんでしたが、良くなりました。通常、ジリスで首にできるのは腫瘍が多いですが、それ以外の炎症や膿ができる場合もあるため注意が必要です。