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フクロモモンガの自咬傷(2症例)

今回はフクロモモンガの自咬症についてご紹介します。

フクロモモンガの自咬傷は多くみられます。

フクロモモンガは複数頭で暮らす社会性のある動物であるため、単頭飼育によるストレスが自咬傷につながるともいわれています。

特に未去勢の男の子に多いです。

フクロモモンガの自咬傷は、場合によっては命取りになるケースがあります。

例えば、この子は総排泄腔という場所が裂けています。フクロモモンガは便も尿も一度総排泄腔という穴に入り排泄します。

なので総排泄腔が裂けてしまうということは、場合によって便や尿がでなくなり命にかかわるということです。

この子はこの段階で運よく排尿、排便ができていたため、自咬した場所をみて、排尿排便ができる場所を残し縫合しました。

エリザベスカラーをつけ、いじれないようにしましたが、尻尾も齧ってしまい壊死したため断尾も行いました。

今のところ排便や排尿はできていますが、次同じ場所を自咬した場合は難しいかもしれません。

この子は飛膜を自咬していました。

傷口の毛を剃り、洗浄して、医療用接着剤で皮膚をくっつけました。

一度フクロモモンガは自咬をし始めると、ずっとしてしまう場合が多いです。

そのため、エリザベスカラーをずっとつけていく場合も少なくありません。

自咬傷は齧った場所によっては、どうにもできない場合もあります。

自咬がみられた際には、早めに来院しましょう。


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